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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

茂平(老僕)どんはいますけれども」

「こんな晩に船に乗ってる人の心地はどんなでしょうねエ。でも乗ってる人を思いやる人はなお悲しいわ!」

「なあに」と武男は茶をすすり果てて風月の唐饅頭二つ三つ一息に平らげながら「なあに、これくらいの風雨はまだいいが、南シナ海あたりで二日も三日も大暴風雨に出あうと、随分こたえるよ。四千何百トンの艦が三四十度ぐらいに傾いてさ、山のようなやつがドンドン甲板を打ち越してさ、艦がぎいぎい響るとあまりいい心地はしないね」

風いよいよ吹き募りて、暴雨一陣礫のごとく雨戸にほとばしる。浪子は目を閉じつ。いくは身を震わしぬ。三人が語しばし途絶えて、風雨の音のみぞすさまじき。

「さあ、陰気な話はもう中止だ。こんな夜は、ランプでも明るくして愉快に話すのだ。ここは横須賀よりまた暖かいね、もうこんなに山桜が咲いたな」

浪子は磁瓶にさしし桜の花びらを軽くなでつつ「今朝老爺が山から折って来ましたの。きれいでしょう。――でもこの雨風で山のはよっぽど散りましょうよ。本当にどうしてこんなに潔いものでしょう! そうそう、さっき蓮月の歌にこんなのがありましたよ『うらやまし心のままにとく咲きて、すがすがしくも散るさくらかな』