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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

二

はははは、浪さんが敗北したもんだから黙ってしまったね」

「あんな言!」

「おほほほほ。そんなに御夫婦げんかを遊ばしちゃいけません。さ、さ、お仲直りのお茶でございますよ。ほほほほ」

二

前回かりに壮夫といえるは、海軍少尉男爵川島武男と呼ばれ、このたび良媒ありて陸軍中将子爵片岡毅とて名は海内に震える将軍の長女浪子とめでたく合の式を挙げしは、つい先月の事にて、ここしばしの暇を得たれば、新婦とその実家よりつけられし老女の幾を連れて四五日前伊香保に来たりしなり。

浪子は八歳の年実母に別れぬ。八歳の昔なれば、母の姿貌ははっきりと覚えねど、始終笑を含みていられしことと、臨終のその前にわれを臥床に呼びて、やせ細りし手にわが小さき掌を握りしめ「浪や、母さんは遠いとこに行くからね、おとなしくして、おとうさまを大事にして、駒ちゃんをかあいがってやらなければなりませんよ。もう五六年……」と言いさしてはらはらと涙を流し「母さんがいなくなっても母さんをおぼえているかい」と今は肩過ぎしわが黒髪のそのころはまだふっさりと額ぎわまで剪り下げしをかいなでかいなでしたまいし事も記憶の底深く彫りて思い出ぬ日はあらざりき。