Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
七の一
という声のあとを慕うてむせび来るのみ。顧みれば片破月の影冷ややかに松にかかれり。
七の一
「お帰り」の前触れ勇ましく、先刻玄関先に二人びきをおりし山木は、早湯に入りて、早咲きの花菖蒲の活けられし床を後ろに、ふうわりとした座ぶとんにあぐらをかきて、さあこれからがようようこっちのからだになりしという風情。欲には酌人がちと無意気と思い貌に、しかし愉快らしく、妻のお隅の顔じろりと見て、まず三四杯傾くるところに、婢が持て来し新聞の号外ランプの光にてらし見つ。
「うう朝鮮か……東学党ますます猖獗……なに清国が出兵したと……。さあ大分おもしろくなッて来たぞ。これで我邦も出兵する――戦争になる――さあもうかるぜ。お隅、前祝いだ、卿も一つ飲め」
「あんた、ほんまに戦争になりますやろか」
「なるとも。愉快、愉快、実に愉快。――愉快といや、なあお隅、今日ちょっと千々岩に会ったがの、例の一条も大分捗が行きそうだて」
「まあ、そうかいな。若旦那が納得しやはったのかいな」
「なあに、武男さんはまだ帰って来ないから、相談も納得もありゃしないが、お浪さんがまた血を喀いたンだ。ところで御隠居ももうだめだ、武男が帰らんうちに断行するといっているそうだ。