Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
おほほほ。それから溜池橋を渡るともう日が暮れて、十五夜でしょう、まん丸な月が出て、それから山王のあの坂を上がるとちょうど桜花の盛りで、馬車の窓からはらはらはらはらまるで吹雪のように降り込んで来ましてね、ほほほ、髷に花びらがとまってましたのを、もうおりるという時、気がついて伯母がとってくれましたッけ」
武男はテーブルに頬杖つき「一年ぐらいたつな早いもんだ。かれこれするとすぐ銀婚式になっちまうよ。はははは、あの時浪さんの澄まし方といったらはッははは思い出してもおかしい、おかしい。どうしてああ澄まされるかな」
「でも、ほほほほ――あなたも若殿様できちんと澄ましていらッしたわ。ほほほほ手が震えて、杯がどうしても持てなかったンですもの」
「大分おにぎやかでございますねエ」といくはにこにこ笑みつつ鉄瓶を持ちて再び入り来つ。「ばあやもこんなに気分が清々いたしたことはありませんでございますよ。ごいっしょにこうしておりますと、昨年伊香保にいた時のような心地がいたしますでございますよ」
「伊香保はうれしかったわ!」
「蕨狩りはどうだい、たれかさんの御足が大分重かッたっけ」
「でもあなたがあまりお急ぎなさるんですもの」