Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
事成らば、われは直ちに飛びのきて、あとは彼らが互いに手を負い負わし生き死に苦しむ活劇を見るべきのみ。千々岩は実にかく思いて、いささか不快の眉を開けるなり。
叔母の気質はよく知りつ。武男がわれに怒りしほど、叔母はわれに怒らざるもよく知りつ。叔母が常に武男を子供視して、むしろわれ――千々岩の年よりも世故に長けたる頭に依頼するの多きも、よく知りつ。そもそもまた親戚知己も多からず、人をしかり飛ばして内心には心細く覚ゆる叔母が、若夫婦にあきたらで味方ほしく思うをもよく知りつ。さればいまだ一兵を進めずしてその作戦計画の必ず成効すべきを測りしなり。
胸中すでに成竹ある千々岩は、さらに山木を語らいて、時々川島家に行きては、その模様を探らせ、かつは自己――千々岩はいたく悔悛覚悟せる由をほのめかしつ。浪子の病すでに二月に及びてはかばかしく治せず、叔母の機嫌のいよいよ悪しきを聞きし四月の末、武男はあらず、執事の田崎も家用を帯びて旅行せしすきをうかがい、一夜千々岩は不意に絶えて久しき川島家の門を入りぬ。あたかも叔母がひとり武男の書状を前に置きて、深く深く沈吟せるところに行きあわせつ。