Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ ほととぎす
小説 不如帰
徳冨 蘆花
Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme
年よりも老けて、多き白髪を短くきり下げ、黒地の被布を着つ。やせたる上にやつれて見ゆれば、打ち見にはやや陰気に思わるれど、目に温かなる光ありて、細き口もとにおのずからなる微笑あり。
幾があたかもうわさしたるはこの人なり。未だし。一週間以前の不動祠畔の水屑となるべかりし浪子をおりよくも抱き留めたるはこの人なりけり。
ラッパを吹き鼓を鳴らして名を売ることをせざれば、知らざる者は名をだに聞かざれど、知れる者はその包むとすれどおのずから身にあふるる光を浴びて、ながくその人を忘るるあたわずというなり。姓は小川名は清子と呼ばれて、目黒のあたりにおおぜいの孤児女と棲み、一大家族の母として路傍に遺棄せらるる幾多の霊魂を拾いてははぐくみ育つるを楽しみとしつ。肋膜炎に悩みし病余の体を養うとて、昨月の末より此地に来たれるなるが、かの日、あたかも不動祠にありて図らず浪子を抱き止め、その主人を尋ねあぐみて狼狽して来たれる幾に浪子を渡せしより、おのずから往来の道は開けしなり。
五の二
茶を持て来て今罷らんとしつる幾はやや驚きて
「まあ、明日お帰京遊ばすんで。へエエ。せっかくおなじみになりかけましたのに」