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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうせつ ほととぎす

小説 不如帰 

徳冨 蘆花

Lesen Sie 小説 不如帰 (しょうせつ ほととぎす) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.742 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

「その上に――」

「エ? 何です?」驚き顔に武男はわざと目をみはりつ。

「存じません、ほほほほほ」さと顔あからめ、うつぶきて指環をひねる。

「いやこれは大変、浪さんはいつそんなにお世辞が上手になったのかい。これでは襟どめぐらいは廉いもんだ。はははは」

火鉢の上にさしかざしたる掌にぽうっと薔薇色になりし頬を押えつ。少し吐息つきて、

「本当に――永い間母様も――どんなにおさびしくッていらっしゃいましてしょう。またすぐ勤務にいらっしゃると思うと、日が早くたってしようがありませんわ」

「始終内にいようもんなら、それこそ三日目には、あなた、ちっと運動にでも出ていらっしゃいませんか、だろう」

「まあ、あんな言を――も一杯あげましょうか」

くみて差し出す紅茶を一口飲みて、葉巻の灰をほとほと火鉢の縁にはたきつ、快くあたりを見回して、

「半年の余もハンモックに揺られて、家に帰ると、十畳敷きがもったいないほど広くて何から何まで結構ずくめ、まるで極楽だね、浪さん。――ああ、何だか二度蜜月遊をするようだ」

げに新婚間もなく相別れて半年ぶりに再び相あえる今日このごろは、ふたたび新婚の当時を繰り返し、正月の一時に来つらん心地せらるるなりけり。