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Japanische Klassiker mit Furigana

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こさかいふぼくしゅうはしがき

少年科学探偵

小酒井 不木

Lesen Sie 少年科学探偵 (こさかいふぼくしゅうはしがき) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.885 Zeichen · 308 Bildschirme

Aozora Bunko

現場の写真

一

一

その年の春はいつまでも寒さが続いたので、塚原俊夫君は、私に向かって、また大地震でも起こらねばよいがなどと、時々私を気味悪がらせておりました。けれども、幸いに、大きな天災地変もなく、五月に入ってからは急に暖かくなって、実験室の前の躑躅が一時に咲き揃いました。

「兄さん、気候が寒いと、あまり大きな犯罪も起こらないようだねえ」

と、ある日の午後、俊夫君は、紫外線装置の部屋から、退屈そうな顔をして出てきながら言いました。

「犯罪など起こらない方がいいねえ。俊夫君には物足らぬかもしれないけれど、世間はたしかに迷惑するよ。しかし、ここ一週間ばかり急に暖かくなったから、また、犯罪がふえるかもしれないねえ。ことに浅草Y町の株屋殺しのように、事件が迷宮に入ると、それを模倣して人殺しが続出しないともかぎらない」

「ああ、そうそう」

と、俊夫君は、急に熱心な顔をして言いました。

「あの株屋殺しは、もう二週間になるが、まだ犯人が見つからぬようだねえ。いったい、警察は何をしているんだろうか。殺された人間がありゃ、殺した人間のあることは当たり前じゃないか」

「そりゃ君、無理だよ。