Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ようねんじだい

幼年時代・晩夏

堀 辰雄

Lesen Sie 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.965 Zeichen · 169 Bildschirme

Aozora Bunko

たかちゃんの方は黙って気まり悪そうに下を向いたきりでいた。私ははじめは知らん顔をしていたが、お竜ちゃんがあんまり口惜しがったりすると、家のなかではこわいもの知らずの私は、「水ピストル」を手にして、向う見ずに細工場の方へ飛び込んでいって、それを佐吉にさしつけながら、頭から水をぶっかけた。佐吉は前掛けを頭からかぶって逃げまどいながら、しまいには頓狂な声をあげて、降参の真似をした。

それから私が得意そうに、二人の少女が小気味よげにそれを見ている木蔭へ戻って行こうとすると、又佐吉が性懲りもなく、背後から、

「弘さんったら、女の子の加勢ばかりしていらあ。おかしいですぜ」とひやかした。それをきくと、私はかあと耳のつけ根まで真っ赤になって、こんどは自分でも何をするのだか無我夢中に、無花果の木の下にいる、その女の子たちの方へその「水ピストル」を向けながら突進して行った。お竜ちゃんは無頓着そうな、きつい目つきで、何をするのかといった風に、私の方を見つめていた。そういう私を見て、おどおどしながら庭の隅っこへ逃げていったのは、たかちゃん一人だった。

細工場の方からみんなが面白そうに見ているものだから、私は騎虎のいきおいでどうしようもなく、私の前に平気で立っているお竜ちゃんには、ほんの少し水をひっかける真似をしたきりで、あとは逃げ