Japanische Klassiker mit Furigana
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
Lesen Sie 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.965 Zeichen · 169 Bildschirme
入道雲
ていくたかちゃんを追っかけて、厠の前まで迫いつめながら、頭から水をひっかけた。たかちゃんは、もう観念したように、両手で顔だけ掩いながら、私に水をかけられるままになっていた。
無花果の木の下では、ほんのちょっと私に肩のあたりへ水をかけられた位の、お竜ちゃんが、いかにも口惜しそうに声を立てて、泣き出していた。……
入道雲
一月のうちには一遍ぐらいこんなことがある。……
もう夜になって、少年がそろそろ睡くなりかける時分から、見知らないお客たちが四五人きては、みんな奥の間にはいって、しばらく父や母をまじえて、あかるい、らちのない笑い声を立てているが、そのうちきまって急にひっそりとしてしまう。それからはときおり思い出したように、ぴしゃりぴしゃりと花札のかすかな音がするだけになるのだった。……
それがはじまると、私は妙に神経が立って、いつまでも茶の間でおばあさんの傍などにむずかって、寝間着を着せられたまま、碁石などを弄びながら起きていた。ときどき母がお茶などを淹れに来たりすることがあっても、私はそっちを振り向こうともしないで、こわい目つきをして自分の遊びに夢中になっているようなふりをしていた。