Japanische Klassiker mit Furigana
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
Lesen Sie 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.965 Zeichen · 169 Bildschirme
が、そのうち私はとうとう睡たさに圧しつぶされて、茶の間に仮りに敷いてある蒲団に碁石なんぞを手にしたまま、うつ伏してしまうのが常だった。そんな場合には私は大抵もう一度夜なかに目を覚ましたが、それはもうお客たちが帰っていったあとで、丁度それまで寝入っていた私が、奥の寝床に移されかけているところなのであった。……
そんな或る晩、おばあさんの傍でいつのまにか愚図りながら寝込んでしまっていた私は、夜なかのいつもの時分になって、ふいと目を覚ました。いつもとは大へん異って騒々しいような気がしたが、丁度みんなが帰りかけているところらしく、唯、おかしい事には、見かけない姿の人が混ざっていたり、私の父や母までがその人達と一しょに出ていってしまったようだった。……それに、いつになく、そのあとにはおばあさんや細工場の者たちがうろうろ出たり入ったりして、私が目を覚ましたことなんぞには一向気がつかないらしかった。私はやっと一人で起き上がると、しぶしぶと目をこすりながら、奥の間にはいっていった。いつもならもうちゃんと蒲団がとってある筈だのに、そこには誰もいないばかりでなく、明るい洋燈の光を空しく浴びながら、何もかもが散らかり放題になっていた。