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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

敬二郎は胸を弾ませながら言った。

「熊が? それじゃ、おれたちばかりでなく、大勢で行こう」

「ぼくときみだけで沢山だよ」

「それより、きみはおれの電報を預かってるはずだな? いまそこで配達夫がそう言っていたが……」

「熊が出たんで、電報のことなんか忘れてしまっていた」

敬二郎は狼狽しながら電報を取り出した。

「紀久ちゃんからだろう?」

正勝はそう言って、すぐその電報を広げた。

「おっ! 無罪に決定! 無罪に決定! 無罪ということにいよいよ決定したんだ。無罪に決定! 無罪に決定! 無罪に……」

正勝はそう叫びながら、電報をひらひらと振り、急に踊りだした。

「正勝くん! 何がそんなに嬉しいんだえ?」

敬二郎は侮蔑的な微笑をもって言った。

「当然のことじゃないか! 紀久ちゃんが無罪に決定して、三、四日うちには帰ってくるんだもの。ほっ! 無罪に決定! 無罪に決定!」

「正勝くん! きみは紀久ちゃんが無罪に決定したのが、そんなに嬉しいのか? 自分の妹を殺した女が無罪に決定したって、何が嬉しいのかぼくには分からないなあ」

「おれにとって嬉しいこたあ、いまとなってみればきみにとっちゃ悲しいことさ」