Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

8

「おかしい話ですけど、吉川先生の結婚が、わたしも房枝さんもそんな人間ではなかったことを証明してくれるのでございます。それまでなにも訊かずにおいてください」

「いや、なにもいますぐ聞かしていただきたいとは申しませんがね」

「わたし、これから房枝さんのお墓へお参りに行って、通じないまでもお詫びを申してまいりたいと存じますから……」

鈴木女教員は涙を拭きながら立ち上がった。

8

鈴木女教員はその晩、房枝と同じようにして自殺をした。房枝が帯をかけた鴨居に帯をかけて首を縊り、机の上に三本の遺書が置いてあった。

遺書の一本は自分の勤めていた小学校の校長に宛てられていた。他の二本は自分の父親と房枝の父親に宛てたものだった。

校長に宛てられた彼女の遺書は彼女の公開状ともいうべきもので、長々と書かれていた。そして自分の父親と房枝の父親に宛てた遺書の重要な部分は、いずれも校長に宛てた遺書の一部に過ぎないものだった。

高津先生。長い間いろいろとお世話さまになりました。いつまでもいつまでも先生の膝下にお導きを承りたく願っていたわたしではありましたが、悪戯好きな運命の神さまは辛い永久の別れを命ずるのでございます。