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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

第四章

「…………」

「紀久ちゃん! 分かったかい?」

「え!」

紀久子は微かに頷いた。

「それじゃ、こ、こ、これからおれがその準備をするから、支度が出来上がるまで、紀久ちゃんは動いちゃいけねえ。支度ができてから、その寝巻のままで起きて、隣の部屋へ行って鉄砲を撃つんだよ。そして、そこに、みんなが、鉄砲の音を聞いて集まってくるまで、じっとして立ってれば、それで何もかも済むのだ。いいか? それで分かったな?」

「え!」

紀久子は軽く頷いた。

「それじゃ、おれが支度するまで、寝ていてくれ」

正勝がそして静かに、抜き足をして部屋を出ていった。

第四章

1

暗黒の中に、不気味な沈黙がしばらく続いた。死のような夜更けの酷寒に締めつけられて凍み割れる木材の鳴き声が、冷気を伴ってときどきぴゅんぴゅんと微かに聞こえてくるだけだった。そして、紀久子は泥沼の底のような不気味な沈黙の中に、歯の根も合わないまでに顫え戦いていた。

やがて、正勝は蔦代の死骸を抱えて入ってきた。そして、正勝は薄い電灯の下に二つの影を引きながら、蔦代の死骸を喜平の死骸の傍へ持っていった。

「紀久ちゃん!」