Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
続いて黒馬が走った。厩舎の前にぐるぐると円を描いて出足の鈍っていた最後の栗毛は、胴にぐっと拍車の強い一撃を食らって急にぴゅーっと駆けだした。そして、たちまちのうちに黒馬を抜き、葦毛の花房を抜いて走った。それを見て黒馬が走り葦毛が駆けだし、三頭の馬は土埃を掻き立てながら、毬のようになって新道路を走った。
やがて、毬のようになって土埃の中に掠れていた三頭の馬は、道路から草原の中へと逸れていった。
春楡と山毛欅とが五、六本、草原に影を落として空高く立っていた。その下に小笹が密生していて、五、六頭の放牧馬が尾を振り振り笹を食っていた。栗毛と黒馬と葦毛の三頭の馬はV字形の三角形になって、その一団の放牧馬を襲った。人に慣れていない放牧馬はそれを見て、雲のように四散した。
「浪岡だぞ! 右へ逃げたその葦毛の……」
正勝はそう叫びながら、首を上げて逃げていこうとする新馬の右手へと、半円を描くようにして走った。そして、三間(約五・四メートル)ばかりの距離にまで追い詰めると、肩にかけてある細引を取ってその右斜め後ろから投げかけた。手繰っては投げ手繰っては投げかけた。葦毛の新馬浪岡は驚いて逃げ回った。