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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

同時に、花房の後ろにいた浪岡は恐怖の発作で習慣的に前へ駆けだした。花房の尻と浪岡の頭部とが激しく突き当たった。身近くその尻っぺたへ一撃を受けて、花房は習慣的にぽんと蹴上げた。その蹄鉄が浪岡の膝に入った。浪岡は驚いて花房の周囲をぐるぐると駆け回った。

「どうした、どうした!」

平吾が駆け寄ってきて、浪岡の首についている細引を取りながら言った。正勝は黙って紀久子のほうを見た。紀久子はそこに驚いていた。

「わたしが悪いんだわ。わたしが悪いのよ。わたしのこの服に驚いたのね」

彼女は申し訳をするように言って、歩み寄った。

「紀久ちゃん! 出てきちゃ駄目だよ。隠れてください」

正勝は叫んだ。紀久子は仕方なく土手の陰へ遠退いた。そこへ松吉が走ってきた。

「怪我はねえか?」

松吉はすぐ浪岡の身体を調べた。

「あっ! 膝をやられてる」

浪岡の膝からは赤黒い血がどくどくと湧いて、蹄の上に流れていた。

「血管が切れたんだな?」

その出血はだいぶひどかった。浪岡がぽこぽこと歩くにつれて、蹄の跡が幾つも幾つも赤黒く路面に残った。

「しかし、血管が切れただけで大したことはねえなあ」

「ないとも」