Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
あなたはその時、親の仇というようなことを思わなかったかな?」
巡査は首を傾げるようにしながら言った。
「いいえ」
「どうも少しおかしい」
「妹は旦那さまばかりでなく、お嬢さまも恨んでいたようなんです。旦那さまが叱ったのは知りませんけれど、連れ戻るときわたしが馬車のお供をしていたんですが、お嬢さまは馬車の中で酷く妹を叱っていましたから。それは兄として、傍で腹が立つほどでございましたから」
正勝がまたそう説明した。
「それなら分かる。では、あなたは蔦代をそんなに叱るほど何か憎むようなことでもあったのかな?」
「いいえ! 蔦代は妹のようにかわいがっていたものですから、それが逃げたので、その場だけなんですけど急に腹が立ったものですから」
「それなら分かる。それではとにかく、本署まで一緒に行ってもらおう。そして、場合によっちゃ裁判も受けなくちゃならんかもしれんが、心配はなかろう」
「証人として、このわたしもまいったほうがいいというのでしたら?」
正勝がそう横から言った。
「一緒に行ってもらおう。それに、いろいろ証拠品も持っていかなくちゃならねえからなあ。短刀と鉄砲と……それから……」