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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、正勝はやはり口を開こうとはしなかった。そして、彼は鞭を振り振り不気味に微笑みながら、厩舎の前を歩き回った。厩舎の前は泥濘の凸凹のまま、まったく凍ってしまった。コンクリートのように硬くなっていた。正勝は鞭を振り振り、蹄鉄の跡のその硬い凸凹を蹴崩した。その動作につれ、森谷牧場主森谷喜平の遺品の高価な鞭は陽にきらめきながら、ぴゅうぴゅうと鳴った。

「そして、その鞭なんかだって、勝手に持ち出したりしていいのかい?」

敬二郎の言葉はしだいに辛辣になっていった。

(馬鹿野郎め! 自分の足下が崩れかけているのも知らずに、偉そうなことばかり喚き立てていやがる)

正勝はそう思いながらも、微笑を含んで黙りつづけた。

「五日も前に帰ってきているというのに、ぼくには会わないように会わないようにとしているし、せっかくここで会ったからと思って裁判の模様を訊きゃあまったく口も利かず、わずか十日ばかりの間になんて変わり方だ。まったく驚いてしまうなあ!」

「驚くこたあねえさ! 変わるのはおればかりじゃねえんだ。いまにきみだって、おれ以上に変わるさ」

「おっ! 口が利けなくなって帰ってきたのかと思ったら、そういうわけでもないんだな?」