Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
Lesen Sie 恐怖城 他5編 (きょうふじょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.735 Zeichen · 290 Bildschirme
「それはそうだ。しかし、紀久ちゃんの意志で支配されることになったからって、ぼくの立場や地位がどうして変わるんだね? どうして、ぼくときみとの立場が反対になるんだえ?」
「それが分からないのか?」
「ぼくには分からんね。どういうことなんだえ? それを聞かしてくれ」
「きみは……紀久ちゃんは自分の意志で、きみと結婚をしようとしているのだと思っているのか? 純然たる自分の意志で?」
「それはそうだろうなあ」
「はっはっはっ!……」
正勝は大声に笑いだした。
「自惚れにもほどがある。……紀久ちゃんが紀久ちゃんだけの意志で、いくらなんでもきみとなどと結婚をしようたあ思っちゃいないだろうなあ。それはおかしい。まったくおかしい……」
正勝はそう言って大声に笑いつづけた。敬二郎はぶるぶると身を顫わせながら、真っ赤になった。しかし、正勝はなおも大声に笑いつづけるのだった。
「何が、何がそんなにおかしいんだえ? 紀久ちゃんの意志がどうか知らないが、いまにぼくと紀久ちゃんが一緒になることだけは確かなんだ。その時になってから、なんとでも言いたいことを言うさ。ぼくは自分の下男から軽蔑されて、それで黙っているような、それほどの善人じゃないから」