Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lesen Sie 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.820 Zeichen · 235 Bildschirme
自己の二重存在の恐怖は鏡の恐怖と結びつけることができる。鏡というものが、あるいは影というものが、ある場合には非常に強いスリルをあたえることは、必ずしも一般的の感情ではないけれども、それだけに生命の恐怖やお化けの恐怖よりは特殊であって、一段高い段階に属するもののように考えられる。
だがスリル段階はこれでつきているのではない。もっと純粋に心理的な、人間の心そのものに巣くっている種類の戦慄がある。私が古来の大文学に含まれているというのは、多くこの種類のスリルであって、それは受入れる側の情操や知識の程度にしたがってほとんど無限に奥深いところまでいっているように思われる。こころみに誰にも知られている手近な実例をあげてみるならば、たとえば、ポーの「天邪鬼」に扱われているスリルなどはその際立った一つであろう。何一つ証拠を残さないでたくみに殺人罪をおかした男が、ただだまっていさえすれば生涯安全であるにもかかわらず、そのだまっていなければならないという考えにたえられなくなる。しゃべってはいけない、しゃべってはいけないと押さえつければ押さえつけるほど、喉の奥から蓄音器のように、そのしゃべってはいけないことだけが、勝手に飛び出してくる。