Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

事務所の会計の妻君が、私達の疲れたところを見計らっては、皮肉に油をさしに来る。

「急いでくれなくちゃ困るよ。」

フンお前も私達と同じ女工上りじゃないか、「俺達ゃ機械じゃねえんだよっ。」発送部の男達が、その女が来ると、舌を出して笑いあった。

五時になると、二十分は私達の労力のおまけだ、日給袋のはいった笊が廻って来ると、私達はしばらくは、激しい争奪戦を開始して、自分の日給袋を見つけ出す。

襷を掛けたまゝ工場の門を出ると、お千代さんが、後から追って来た。

「あんた、今日市場の方へ寄らないの、私今晩のおかずを買って行くの……。」

一皿八銭の秋刀魚は、その青く光った油と一緒に、私とお千代さんの両手にかゝえられて、サンゼンと生臭い匂いを二人の胃袋に通わせた。

「この道を歩いている時だけ、あんた、楽しいと思った事ない。」

「本当にね、私ホッとするわ。」

「あゝあんたは一人だからうらやましいわ。」

お千代さんの束ねた髪に、白く埃がつもっているのを見ると、街の華やかな、一切のものに火をつけてやりたいようなコオフンを感じる。

十一月×日

なぜ?

なぜ?

私達はいつまでもこんな馬鹿な生き方をしなければならないのか! いつまでたっても、セルロイドの唄、セルロイドの匂い、セルロイドの生活だ。