Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

赤いスリッパ

あゝこんな面白い生き方があったんだ、私はポンと固いクッションの上に飛び上ると、あく事もなく、なつかしくいじらしい自分の百面相に凝視ってしまった。――一九二三・四――

赤いスリッパ

五月×日

私はお釈迦様に恋をしました

仄かに冷い唇に接吻すれば

おゝもったいない程の

痺れ心になりまする。

ピンからキリまで

もったいなさに

なだらかな血潮が

逆流しまする。

心憎いまで落ちつきはらった

その男振りに

すっかり私の魂はつられてしまいました。

お釈迦様!

あんまりつれないではござりませぬか!

蜂の巣のようにこわれた

私の心臓の中に……

お釈迦様

ナムアミダブツの無情を悟すのが

能でもありますまいに

その男振りで

炎のような私の胸に

飛びこんで下さりませ

俗世に汚れた

この女の首を

死ぬ程抱きしめて下さりませ

ナムアミダブツの

お釈迦様!

妙に佗しい日だ、気の狂いそうな日だ。天気のせいかも知れない、朝から、降りしきってた雨が、夜になると風をまじえて、身も心も、突きさしそうにキリキリ迫って来る。こんな詩を書いて、壁に張りつけてみたものゝ私の心臓はいつものように、私を見くびって、ひどくおとなしい。

――スグコイカネイルカ