Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme
啄木はこんなに楽しそうに家にかえる事を歌っている、私は工場から帰えると棒のようにつっぱった足を二畳いっぱいに延ばして、大きなアクビをする、それがたった一つの楽しさだ。
二寸ばかりのキュウピーを一ツごまかして、茶碗をのせる棚に、のせて見る。
私の描いた瞳、私の描いた羽根、私が生んだキュウピーさん、冷飯に味噌汁をザクザクかけて、かき込む淋しい夜食。
松田さんが、妙に大きいセキをしながら窓の下を通ると、台所からはいって、声をかける。
「もう御飯ですか、少し待っていらっしゃい肉を買って来たんですよ。」
松田さんも同じ自炊生活、仲々しまった人らしい。
石油コンロで、ジ……と肉を煮る匂いが、切なく口を濡す。
「済みませんが此葱切ってくれませんか。」
昨夜、無断で人の部屋の机の引き出しを開けて、金包みを入れておいたくせに、そうして、たった拾円ばかりの金を借して、もう馴々しく、人に葱を刻ませようとしている。
あんな人間に図々しくされると一番たまらない。
遠くで餅をつく勇ましい音が聞える。
私は沈黙ってボリボリ大根の塩漬を噛んでいたが、台所の方も佗しそうに、コツコツ葱を刻み出した。