Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

買いたいものがぶらさがっている。

私は桃割の髪をかしげて、電車のガラス窓でなおした。

本村町で降りると、邸町になった露路の奥にそのうちがあった。

「御めん下さい。」

大きな家だな、こんなでかい家の助手になれるか知ら……、何度もかえろうかと思いながら、ぼんやり立ちつくした。

「貴女派出婦さん! 派出婦会から、何時に出たって電話がかゝって来たのに、おそいので、坊ちゃん怒ってらっしゃるわ。」

私が通されたのは、洋風なせまい応接室。

壁には、色の褪せたミレーの晩鐘の口絵のようなのが張ってあった。面白くもない部屋だ。腰掛けは得たいが知れない程ブクブクしていた。

「お待たせしました。」

何でも此男の父親は日本橋で薬屋をしているとかで、私の仕事は薬の見本の整理で、わけのない事だった。

「でもそのうち、僕の方の仕事が急がしくなると、清書してもらいたいのですがね、それに一週間程したら、三浦三崎の方へ研究に行くんですが来てくれますか。」

此男は廿四五かな、私は若い男の年が、ちっとも判らないので、じっと脊の高いその人の顔を見ていた。

「いっそ派出婦の方を止して、毎日来ませんか。