Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

まず雀が鳴いているところ、朗らかな朝陽がウラウラ光っているところ、陽にあたって青葉の音が色が、雨のように薫じているところ……槐多ではないが、狂人のように、一人居の住居が、イマ! イマ! 慾しくなった。

十方空しく御座候だ! 暗いので、只じっと瞳をとじている。

「オイ! ゆみちゃんはどこへ行ったんだい!」階下でお上さんが呼んでいる。

「ゆみちゃん居るの……お上さんが呼んでゝよ。」

「歯が痛いから寝てるって云って下さい。」

八重ちゃんが乱暴に階下へ降りて行くと、漠々とした当のない、痛い痛い気持ちが、ふくらがって、いっそ死んでしもうたならと唄い出したくなる。

メフィストフェレスがそろそろ踊り出したぞ! 昔おえらいルナチャルスキイとなん申します方が、云ってござる。

――生活とは何ぞや? 生ける有機体とは何ぞや? ルナチャルスキイならずとも、生活とは何ぞや! 生ける有機体とは何ぞや! 落ちたるマグダラのマリヤ! ワッハ ワッハ。

死ぬんだ!

死ぬんだ!

自己保存の能力を叩きこわしてしまうのだ。私は頭の下に両手を入れると、死ぬる空想をした。毒薬を呑む空想をした。