Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme
老いて金もなく頼る者もない事は、どんなに悲惨な事だろう。
可哀想なお母さん、ちっとも金を無心して下さらないので余計どうしていらっしゃるかと心配します。
「その内お前さん、俺んとこへ遊びに行かないか、田舎はいゝよ。」
三年も此家で女給をしているお計ちゃんが男のような口のきゝかたでさそってくれた。
「えゝ……行くとも、何日でも泊めてくれて?」
私はそれまで少し金を貯めよう。
いゝなあ、こんな処の女達の方がよっぽど親切で思いやりがある。
「私しぁ、もうもう愛だの恋だの、貴女に惚れました、一生捨てないのなんて馬鹿らしい真平だよ。あゝこんな世の中でお前さん! そんな約束なんて何もなりはしないよ。私をこんなにした男は今、代議士なんてやってるけど子供を生ませると、ぷいさ。私達が私生児を生めば皆そいつがモダンガールさ、いゝ面の皮さ……馬鹿馬鹿しいね浮世は、今の世は真心なんてものは、薬にしたくもないよ。私がこうして三年もこんな仕事をしてるのは、私の子供が可愛いからさ……ハッハッ……。」
お計さんの話を聞いていると、ジリジリとしていた気持が、トンと明るくなる。素的にいゝ人だ。