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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lesen Sie 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 103.349 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

コートも着ない私の袖は、ぐっしょり濡れてしまって、みじめなヒキ蛙。

白木さんはお帰えりになった後か、そうれ見ろ!

これだから、やっぱりカフェーで働くと云うのに、時ちゃんは勉強しろと云う。広い受付けに、このみじめな女は、かすれた文字をつらねて、困っておりますからとおきまりの置手紙を書いた。

だが時事のドアーは面白いな、クルリクルリ、水車、クルリと二度押すと、前へ逆もどり、郵便屋が笑っていた。

何と小さき人間達よ、ビルデングを見上げると、お前なんか一人生きてたって、死んだって同じじゃないかと云う。

だが、あのビルデングを売ったら、お米も間代も一生はらえて、古里に長い電報が打てるだろう。

ナリキンになるなんて、云ってやったら、邪けんな親類も、冷たい友人も、驚くだろう。

あさましや芙美子

消えてしまえ。

時ちゃんは、かじかんで、この雪の中を野良犬のように歩いているんだろうに――

二月×日

あゝ今晩も待ち呆け。

箱火鉢で茶をあたゝめて、時間はずれの御飯をたべる。

もう一時すぎなのになあ――。

昨夜は二時、おとゝいは一時半、いつも十二時半にはきちんと帰えっていた人が、時ちゃんに限って、そんな事もないだろうけれど……。