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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

何が犬死だ。もし、大逆の義龍が、このまま、やすやすと世に栄えたら、それこそ、この世は闇だ、地獄だ。人間は餓鬼だ、鳥獣にも劣る」

「わかっていますッ。……それは分っていますが」

「一光秀が、いくら戦っても、大勢はもうどうする術もないし、敵手にお果てなされた山城守様が、生きかえるわけもないが、ただ――こういう証にはなるぞ。――餓鬼道のような美濃衆の内乱のうちにも、真の人間は、幾人かはいたということだ。そのために、わしは死ぬのだ。わしは死んで悔いない。正義がこれを知ってくれる。おぬしはそれを、犬死というか」

「分っていますッ。けれど……御最期のその前に、ともあれ一応、父の光安に会って下さい。それからでも、思いどおりの決戦はできましょう。死ぬなら、あなたばかりを死なせはしません」

「よしッ……」

と、呼吸も荒く、

「叔父御は、どこだ。どこにおられるのだ。死ぬ前に、一目会おうッ」

従兄弟の駈ける後に続いて、彼も遂に、裏山の水の手へ、駈け上がって行った。

叔父の光安入道は、水番小屋の前に突っ立って、わが子と、甥の来るのを、待ちぬいていた。

「おッ。光春か。……十兵衛にも無事であったか」