Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.406 Zeichen · 381 Bildschirme
常日頃、よくよく心いたしておくがよいぞ」
「…………」
棟梁たちも、さすがに、冷笑をひそめて、真顔になった。彼らには、財があり、眷族があり、今が幸福だけに、痛切にひびいた。
「――それを、今日、みな安泰にいられるのは、何の力か。もとより、主君の御威光はいうまでもないが、おまえたち領民が、お城を中心に、慥乎と、国土を護っていてくれるからだ。――われわれ武士ばかりが、いくら戦ったところで、おまえたち領民の心が弛んでいたら……」
藤吉郎は、涙ぐむばかりにいった。策や上手でいうのでは決してない。心から、彼はそう憂い、そう信じているのであった。
一瞬、彼の真実なことばに打たれた者達は、酒の酔いもどこへやら、声をのんで、藤吉郎の面を見まもり合っていた。
――と。
どこかで、洟をすするような嗚咽が聞えた。
見るとそれは、棟梁仲間のうちでも、最も古手で幅利きな――そしてきのうから変った新奉行の藤吉郎に対しては、誰よりも露骨に、反抗を示していたあばた顔の大工の棟梁であった。
「ああ。……おれは、おれは」
と、その男は、人前もなく、じゃんか面に、ぼろぼろと涙をこぼし、その涙を、掌で逆さに撫でて嗚咽していたが、人々が驚いて、