Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
……いま伺うと、また大杯を強いられるぞ」
「御酒宴中か」
光秀はふと、たじろぐような眉をした。
たしかに、信長の酒量は、近ごろ大分あがっている。
(お好きな方ではあるが、以前はあんなに召し上がらなかった)
とは、よくむかしを知る老臣たちのいうところである。
秀吉なども、その組だが、彼と信長とは、健康の程度がちがう。一見、蒲柳の質らしく見えるが、信長のほうが、遥かに丈夫である。その精神力を窺っても分るように。
その点、秀吉は反対である。外見は粗野で達者らしいが、決して頑強な質でない。長浜にいる彼の母は、いまでも彼がすこし不養生するとよく訓えていう。
(気の大きいはよいが、体だけは細心にしてたもれ。生れた時からひよわい質で、四ツか五歳頃までは、あの子はとても成人しまいと、中村の衆がみないうていた程であったに)
秀吉は、母の気遣いが身にこたえている。また、幼少のひよわかった原因も知っている。ほとんど、喰べたり喰べなかったりの貧乏中に懐胎って、その育ちざかりも窮乏のどん底であった。――それを、ともあれ人並らしく大きくなって来たのは、ただ丹精ひとつにあった。
だから、酒はきらいではないが、杯を手にすると、母のことばを思い出す。