Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
不測の事
秀吉は急遽岐阜へ使いを出していた。岐阜中将信忠の扱いを仰いで、信長の心をなだめようとしたのである。
上洛の用もあって、その後、信忠はまもなく京都へ出て来た。
秀吉は直家を伴って、彼に謁し、ついに信忠のとりなしで、信長も、
「では、対面しよう」
と、ようやく心を解いた。
そして誓紙に朱印された日から、宇喜多一族は完全に、毛利を去って織田方へ属したわけであるが、偶然といおうか、兵機の間髪といおうか、それからわずか七日と経たないうちに、織田方の勇将荒木村重が、信長を裏切って毛利と呼応し、突然、叛旗を織田の足もとからひるがえしたのであった。
不測の事
「嘘だ。嘘であろう?」
信長は始め信じない顔つきであった。
荒木摂津守村重謀叛という報が入って、安土の内外を愕かせたときの――彼の愕きから来た一瞬の感情ではそう否定した。
やがて、その報は、
「村重にしたがって、高槻の高山右近も、茨木の中川清秀も、義をとなえ、ともに叛旗をひるがえした」
と、事態の重大さと、その輪廓が明らかにされて来るに従って、信長も、
「さては」
と、今さらのように、狼狽のいろを眉にあらわした。
ふしぎなことには、この意外な事実に当って、彼は憤怒もしなければ、日ごろの癇癖も出さなかった。