Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

南蛮寺

書中の用件が何であったかは、後には自然分ったが、要するに、彼が無二の幕友としている黒田官兵衛の質子について、人知れず心を煩わしたものであった。

それとは別に。

信長の使者もまた京都へ向って急いでいた。使者は四条坊門の南蛮寺を訪れて、永禄以来日本に来ている宣教師オルガンチノを伴れてふたたび信長の陣所天野山へ帰った。

オルガンチノは伊太利生れの伴天連だった。平戸、長崎あたりはいうまでもなく、堺、安土、京都、畿内のいたる処にも無数の宣教師が日本に渡っていた。その中でもオルガンチノは信長が気に入りの異人のひとりだった。

信長は切支丹ぎらいではない。仏徒と闘い法城を焼き払っても、あながち仏法嫌いでないのと同じ意味で、宗教そのものの本来の価値は認めている。

けれど彼は、切支丹に帰依して洗礼をうけようなどとは、ゆめにも思っていないらしい。

オルガンチノばかりでなく、時折は安土へも招かれたりしている多くの伴天連たちは、どうかしてこの人を自己の宗門に入れようものと、あらゆる腐心をしてみたが、信長の心をつかむことは、ちょうど水中の月を掬おうとするようなものだった。

或る伴天連は自分が海外から供に連れて来た黒奴を、信長に献上した。