Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

「安房国館山の里見義弘が城――ここには三層の天守があって海に面し、威容は海路からも望まれます。また周防国山口には、大内義興の四層閣が城廓の中心として築かれ、おそらくその壮大は宇内第一かもしれません」

「その二城のみですか」

「自分の知る限りでは。……して、何でそんなことを俄かにおたずねに相成るのか」

「いや今日、殿の御前で、いろいろ築城上のはなしが出た折、森どのがしきりと、天守閣の御説明を申しあげ、近く安土にお築きになる御城廓には、ぜひその天守を取り入れられるようにと、献策しておられたので」

「ほ? 森どのとは」

「御近習の蘭丸どの」

「はてな」

光秀はふと眉をひそめた。

「なにか、御不審でも?」

「いや、べつに」

光秀はすぐさり気ない面に返っていた。そして秀吉と、なお二言三言、気軽な立ちばなしを交えていたが、やがて、

「御免」

と、わかれて、信長のいる奥のほうへ、さッさと通って行った。

「筑前どの。筑前どの」

二条の館の大廊下は、信長を本尊として、退がって来る者、伺候する者など、加茂の参道ほど往来が多い。

また、誰か呼ぶので、

「おう。朝山どのか」

秀吉は、笑顔で振向いた。