Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
蘭丸も蘭丸である。
彼が光秀に対しているときなどから見ると、秀吉にむかっては、ものをいうにも、何の警戒らしさを示していない。
与し易し――とも観ていないであろうが、時折、飄逸をあらわしたり、馬鹿を見せたりするので、交際いい男としているのは事実である。
「いや、観相というものは、中りますよ。わたくしの母などは、よく申します。亡父の三左衛門も、討死する以前、或る人相観に、それとなく予言をうけていたそうでした。……で、わたくしも実は、恵瓊どののような名人のことばなので、少々、気にかけておることがあるのですが」
「最前の恵瓊に、人相でも観てもらったのでおざるか」
「いえいえ、この蘭丸の儀ではありません。少々、他言を憚りますが……」
と、道の前後を見まわして、
「――惟任どののことです」
「ほ。明智どのが、どうしたというので?」
「あのお方の相貌には、主君をも冒しかねない叛骨が窺われると……非常な凶相だと申しおりましたそうです」
「たれが」
「安国寺恵瓊どのが」
「そう見れば、そう見えるかもしれませんな。惟任どのの人相に限らず」
「いや、ほんとに、申したそうです」
秀吉はにやにや聞いていた。