Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
「……国相?」
「人の相を人相といえるなら、国の相を国相といってもいいでしょう。恵瓊はそれを観る達人と見てとりました。――かならず、あのような者を、近づけてはなりません。彼は、僧形でこそあれ、毛利輝元の政略にも参与しておる人物です。……蘭丸どの、どうじゃ、それがしの方が、はるかに人相観の上手であろうが、はははは」
いつか桑実寺の山門がそこに見える。ふたりは低い石段を、なお何か笑い合いながら登っていた。
目に見えて、城の工は、捗ってゆく。
そして、二月末には、信長はもう岐阜を引き払って、移転して来た。
これには、普請奉行の丹羽長秀も、狼狽して、
「まだ、お移りは御無理です。御本丸の壁も乾きません。諸職人も大勢立ち入っておりまするし、その中へ、お座所をすえては」
と、信長へ訴えると、信長は無造作に、
「いや、起居のできるようになるまで、佐久間信盛のやしきに待っておる。なるべく早くせい」
と、手近な茶道具だけを携えて、臣下の邸へ、同居しているという始末だった。
「ずいぶんな御難題」
と、諸役人は、彼の短気にあきれたが、無理は無理でも、それがまた、工事の進捗へ、拍車をかけた。