Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
汝は、中村のむかしを忘るるなよ、主君の御恩を忘却いたすまいぞ。……それを無言に訓えての業と、常々、伏し拝んでおる次第でございます」
「……む。む」
「そうした母を持ち、母の訓えを護符とする子が、なんで、主君のお不為を陣中で策しましょうや。……たとえ上将に対し、異議論争を云いたてましょうとも、胸に二心はありません」
――すると信長の側で、
「いや、よいお土産かな。その茄子、あとでぜひ御馳走に相成ろう」
と、膝を打って云った客がある。
そこに一人の客がいたかと、それによって初めて気づいたくらい、至って風采の揚らない小男である。
年ごろは三十三、四。
唇の大きいのは、意志の強さを示している。眉骨は隆く、鼻ばしらは太い。野性というか、壮気というか、何しろ旺んな生命を内に蔵していることは赭黒い皮膚の光沢や眼の光でもわかる。
「ははは。秀吉の母が手作りの茄子、官兵衛にも御意に召したか。信長もめでとう思う。料理させて、後刻の一献に供えよう」
信長は、そういってから、あらためて客を秀吉に紹介した。
「これにおるは、播州の小寺政職が家老、黒田職隆が子にあたる官兵衛孝高である。