Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
すこし気に入ると、寵愛の偏する傾きは誰に対しても見せる信長であるが、その中でも、村重の武勇は、わけて信長に認められていた。今日までも、信長は人一倍、村重を愛していたといえる。
もともと村重は、何の勢力もない一介の武人に過ぎない。その器を用いて、帷幕の一員に加え、股肱の驍将に列しるなど、信長としては、最大な待遇を与えて来たものである。
わけて、秀吉の副将として、中国経略の大事に参画させてもいるのに、その信頼を裏切られた信長の気持はどんなであろうか――秀吉は思いやられるのであった。
「いや、自分にも、一半の責任はある」
秀吉は、安土へ急ぎながら、己れをも責めていた。
自分の副将であり、また、日頃から私交も浅くない村重が、こんな馬鹿を仕出来すまで、それを知らなかったとあっては――知らなかっただけではすまないと――自責するのであった。
「於蘭どの」
「はい」
「あなたは何か聞いていないか」
「荒木どのの変心についてですか」
「むむ。何が不平で、信長公に弓をひく気になどなったやら。その原因を」
長途なので、一気に馬を鞭打てば馬がつぶれる。秀吉は、平均に軽走させながら、同じ歩調でついて来る馬上の蘭丸をかえりみて話した。