Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.256 Zeichen · 361 Bildschirme

Aozora Bunko

(泣いてるんだから、叔母さんも、何か心配があるんだろうな)

と、相手の身にもなって、まじまじと彼女のすがたを見ていたが、ふと、その若い叔母の体つきに、或る異様なものを感じて、何気なしに、

「叔母さん……叔母さんはお腹が大きいんだね。妊娠なのけ」

と、訊ねた。

泣いていたおえつは、自分がいちばん悲しんでいることを、いきなり突拍子もないことばで、訊かれたので、頬でも打たれたように、はっと顔を上げたが、

「男の子のくせに、そんなませたこと、いうものじゃありません。いやらしい子!」

と、よけいに悲嘆をいらだたせられたように、

「はやく、陽のあるうちに、中村へでも何処へでもお帰りよ。……わたしは今、そ、それどころではないのだから」

と、咽びかける声をのんで、部屋のうちへ隠れてしまった。

「……帰ろ」

自分で自分へつぶやいて、日吉は立ちかけたが、小猫はなお、彼の温かなふところから離れたがらなかった。するとさっき彼が云ったので、下婢が気がついたものとみえ、小皿に冷飯を盛り、汁をかけて、それを見せながら外で呼んだ。

飯を見ると、小猫は、日吉のふところを捨てて、そのほうへ飛びついて行った。