Japanische Klassiker mit Furigana
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme
二人はお庭の井戸のそばの桃の木に、なたで切り形をつけて、足がかりにして木の上まで登りました。そしてそっと息を殺してかくれていました。
いつまでたっても、きょうだいがお小用から帰って来ないので、山姥はのそのそさがしに出て来ました。明け方の月がちょうど昇りかけて、庭の上はかんかん明るく見えました。けれどもきょうだいの姿はどこにも見えませんでした。さんざんさがしてさがしてくたびれて、のどが渇いたので、水を飲もうと思って、山姥が井戸のそばに寄ると、桃の木の上にかくれているきょうだいの姿が、水の上にはっきりとうつりました。
「小用に行くなんて人をだまして、そんなところに上がっているのだな。」
と、山姥は木の上を見上げて、きょうだいをしかりました。その声を聞くと、きょうだいはひとちぢみにちぢみ上がってしまいました。
「どうして登った。」
と、山姥が聞きますから、
「びんつけを木になすって登ったよ。」
と、太郎がいいました。
「ふん、そうか。」
といって、山姥はびんつけ油を取りに行きました。きょうだいが上でびくびくしていると、山姥はびんつけを取って来て、桃の木にこてこてなすりはじめました。