Japanische Klassiker mit Furigana
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme
それがかすかな風に吹かれては、音を立てたり、香りを送ったりしているのです。
伊香刀美はその着物がほしくなりました。
「これはめずらしいものだ。きっとさっきの白い鳥たちがぬいで行ったものに違いない。するとあの八人の少女たちは天女で、これこそ昔からいう天の羽衣というものに違いない。」
こう独り言をつぶやきながら、そっと羽衣を一枚取り下ろして、うちへ持って帰って、宝にしようと思いました。でも水の中に居る少女たちがどうするか、様子を見届けて行きたいと思って、羽衣をそっとかかえたまま、木の陰にかくれて見ていました。
八人の少女たちはややしばらく水の中で、のびのびとさも気持ちよさそうに、おさかなのように泳ぐ形をしたり、小鳥のように舞う形をしたりして、余念なく遊び戯れていましたが、やがて一人上がり、二人上がり、松の木の下まで来ると、てんでんに羽衣を取り下ろしては、体にまといました。そして一人一人、ぱあっと羽衣をひろげては、舞い上がっていきました。
とうとう七人まで、少女たちはみんな白鳥になって空の上に舞い上がりましたが、いちばんおしまいに上がって来た八人めの少女が、見ると自分の羽衣は影も形も見えません。