Japanische Klassiker mit Furigana
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme
そして伊香刀美といっしょに、そのおかあさんのそばで暮らすことになりました。でも始終どうかして天に帰りたいと思って、折があったら羽衣を取り返して、逃げよう逃げようとしました。伊香刀美も少女の心を知っているので、羽衣をどこかへしまったまま、少女の目にはふれさせませんでした。少女は毎日のように空をながめては、人しれず悲しそうなため息をついていました。
二
そうこうするうちに三年たちました。
ある日伊香刀美は、いつものように朝早くりょうに出かけました。少女は伊香刀美のおかあさんといろいろ話をしているついでに、ふとおかあさんが、
「まあ、お前がここへ来なすってからもう三年になるよ。月日のたつのは早いものだね。」
といいました。少女はそっとため息をつきながら、
「ほんとうに早うございますこと。」
といいました。
「お前、今でも天へ帰りたいだろうね。」
「ええ、それははじめのうちはずいぶん帰りとうございましたが、今では人間の暮らしに慣れて、この世界が好きになりました。」
と答えながら、何気なく、
「そういえば、おかあさん、あの時の羽衣はどうなったでしょうね。あれなり伊香刀美さんにおあずけしたままになっておりますが、長い間にいたみはしないかと、気にかかります。