Japanische Klassiker mit Furigana
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
Lesen Sie 日本の諸国物語 (せっしょうせき) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.040 Zeichen · 158 Bildschirme
りょうしは何事が起こったのかと思って、山刀を持って飛び出して、そこらを見回りました。けれども、何もそこにはほえ立てるような怪しいものの、影も形も見えませんでした。ほかの犬たちも目を覚まさせられて、いっしょにわんわんほえながら、これもやはり獲物をかぎ回っていましたが、何も見つからないので、すごすご、しっぽを振ってもどって来ました。
その中でも、さっきの犬は、あいかわらず気違いのようにほえ回って、主人のすそを引っ張るやら、背中に飛びつくやら、たいそうらんぼうになって、しまいには今にもかみつくかと思うように、はげしく主人にほえかかりました。だんだん、その様子がおそろしくなるので、りょうしも気味が悪くなりました。刀を抜いておどしますと、犬はなおなおはげしく狂い回って、りょうしの振り上げる刀の下をくぐって、いきなりその胸に飛びつきました。りょうしはびっくりして、思わず犬をつき放して、振り上げていた刀で、犬の首を切り落としてしまいました。山の中があんまり寂しいので、気が変になって、犬が狂い出したのだと、りょうしは思ったのでしょう。
ところが驚いたことには、切られた犬の首は、いきなり飛び上がって、りょうしの眠っていた頭の上の木の枝にかみつきました。