Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.646 Zeichen · 48 Bildschirme
六月二日
六月三日
自分は殆ど二十年ものをかいて来ている。だが、この頃になって更に、書く、ということが一層深く判ったような気がする。
書かない迄はなかったものを書く、それで存在させることになる。書くこと=存在あらしめること。何ということだろう。頭の中にあること、心の中にあること、しかし書かれなければそれまでのことだ。一人の女がどんなよろこびと、どんな苦痛をもって生きるか、それでさえも。書かれなければ存在しないと同じ。これは何ということだろう※(感嘆符二つ、1-8-75) 書くことと書かないこと、それは存在せしめることと存在させないこととの区別であるということ。
六月三日(木曜)
すぐ書記が出て来て許可を渡してくれた。引越しの仕度でゴタついている。外の物置を片づけている。ピストルや銃を畳表のようなものでくくったり、本箱や何か出しかけて。
○m、又厚着、体がわるい。熱はなし。盲腸シップ。塗薬。この二週間ばかり手紙を書かなかった由。部屋でかけないから。――体がわるいということについてm、きまりわるいような、悪いような子供らしい微妙な顔をした。「どうしたい」この前も第一の言葉がこれ。