Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
私は昭和八年六月に広島文理科大学の学生を連れ同県下を旅行した時、ずっと北の山県郡の八幡村という辺鄙な処に行ったのである。そこに二町歩ぐらいカキツバタが野生して居る処がある。それは道の縁になって居る平地です。ああいう広い処にあれくらいカキツバタが野生して居る所はちょっとない位に盛んに生えて居た。六月ですから花盛りで、非常に綺麗に花が咲いて居た。私は染々見て居る間に、染料上の色々なことが頭に浮んで来た。沢山咲いて居るので、見渡す限り鮮かな紫色の一色です。花を取て潰して絞ると汁が出る。それをハンケチに摺ってみたところが誠によく染まる。少しもムラがなく紫色に染まって居る。これは乾くと、生の時よりも色が薄くなって藤色みたいになる。その時は夏のことですからワイシャツが白であった。胸にも大いに摺り着けた。昔の人の気分になろうと思って、やたらに花を摺り着けて一人悦に入った訳です。そこでこれは誠に拙劣な川柳みたような俳句みたようなものですが、その時の感じは、
衣に摺りし昔の里かかきつばた
ハンケチに摺つて見せけりかきつばた
白シヤツに摺りつけて見るかきつばた
此里に業平来れば此処も歌