Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
研究に没頭して、遊堕を省みない
丁度その頃僕達の市街にもいろいろの料理屋などが出来て、思想の定まらない青年達はその感覚の魔界におぼれて、随分その前途を謬ったものが多かった。しかし自分は植物の研究に自らの趣味も感じいたので花柳の巷には足を入れようとは思わなかった。またその時分もしも酒に親しむような悪習に染まっていたならば、あるいは酔いに乗じて酒に飲まれていたかもしれない。小さい時から酒をのまなかったことは正しく身を守ることを保証しているのです。
私は現在七十四歳です。でも老眼でもなく血圧も青年のように低い。動脈硬化の心配もない。医者の言葉ではもう三十年もその生命を許される、との事である。酒や煙草を飲まなかったことの幸福を今しみじみとよろこんでいる。
青年は是非酒と煙草をやめて欲しい。人間は健康が大切である。我等は出来る丈健康に長生きをし与えられたる使命を重んじその大事業を完成しなければならぬ。身心の健全は若い時に養わねばならぬ。
〔補〕右は昭和十年に書いて公にしたものである。私は昭和十八年の今日八十二歳ですが幸に元気はすこぶる旺盛で一向に老人の様な気がしない。ゆえに牧野翁とか牧野叟とか牧野老とか署するのはこの上もなく嫌いで、また人からそう呼ばれるのも好まない。