Japanische Klassiker mit Furigana
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がくせいものがたり
楽聖物語
野村 あらえびす
Lesen Sie 楽聖物語 (がくせいものがたり) von 野村 あらえびす (のむらあらえびす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.667 Zeichen · 381 Bildschirme
穏やかな長面、大きな真面目な眼、直な鼻、豊かな額、厚いが強い唇、頬や顎はがっしりと端正で、四角帽を被った彼の風采を、時の人は「力に富み、意志に強かった」と伝えている。
ハンブルクではカイゼル、マッテゾン、ブクステフーデなどが楽壇を支配し、いずれもヘンデルより年長で、若きヘンデルにとっては恰好な指導者であり、先輩であった。しかしヘンデルの才能と天分が次第に三人の先輩を抜いて、いつまでも保護者らしい顔をされるのに我慢が出来なくなってしまったのはやむを得ないことであった。最初にヘンデルと問題を起したのはマッテゾンであった。些々たる事から誤解を大きくして二人はハンブルク市場で決闘をする羽目にまで立ち至ったのである。マッテゾンの剣は危うくヘンデルの胸を貫こうとして、大きな金属製のボタンに留って折れ、ヘンデルの命は真に一髪の危機を免れ、次の瞬間二人は我を忘れて抱き合っていた。争いの種も憎しみも、死線を超えて春の霜の如く消え失せたのである。
続いてヘンデルとの間に大きな溝を作ったのは、ハンブルクのオペラの中心人物なるカイゼルであった。カイゼルの落目と嫉妬は、ハンブルクのオペラまでも滅茶滅茶なものにしてしまった。