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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、父は留守だった。お祖母さんに訊けばわかるだろうと思ったが、一昨夜のことが、まだ大きな壁になってのしかかっているようで、二人とも訊いてみる気がせず、そのまま二階にあがってしまった。

すると、俊三が、すぐあとからついて来て、声をしのばせながら、しかし、いかにも大仰らしく言った。

「僕たちに、母さんが来るんだってさ。」

「なあんだ、そうか。」

と次郎は、それで何もかもわかったという顔をした。恭一は、しかし、何かにうたれたように俊三の顔をみつめた。

「え? いつ? いつ来るんだい?」

「あさっての晩だって。」

「ほんと? 父さんがそう言ったんかい。」

「ううん、お祖母さんにきいたよ。」

恭一は次郎の顔を見た。次郎は、しかし、母が来るのはあたりまえだ、といったような顔をしていた。

「お祖母さんはね、――」

と、俊三はまた、声をひめて、

「そんな人、来なくてもいいんだけど、正木のお祖父さんがそう言うから仕方がないって、言ってたよ。」

今度は、次郎が眼を光らせて、恭一を見た。恭一は非常に複雑な表情をして、次郎と俊三とを見くらべた。三人は、それっきりおたがいに顔ばかり見合っていたが、恭一が、しばらくして、