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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

九 靴

恭一は、そのうちに、ふいに立ちあがって、押入から二人分の夜具を引出し、それをいつものとおりひろげた。そして、

「次郎ちゃん、寝ようや。」

と、自分で先にその中にもぐりこんでしまった。

次郎は、やっと顔をあげ、恭一がのべてくれた自分の寝床をみつめていたが、急に飛びかかるように恭一の蒲団のうえに身を伏せた。

「僕、……来年はきっと及第するんだから、許してね。」

恭一は、返事をしないで、ふとんの中に身をちぢめた。が、しばらくたつと、顔をかくしたまま息づまるように言った。

「僕、悪かったんだよ。……ゆうべ、次郎ちゃんにいろんなことを訊いたの……悪かったんだよ。」

二人は、それからかなり永いこと同じ姿勢でいた。

しかし、そのうちに次郎もやっとあきらめたらしく、恭一の蒲団から身を起して、校服のまま自分の寝床にはいった。そして、二人共、さすがに疲れていたらしく、権田原先生がたずねて来て俊亮と階下で話していたのも知らないで、夕方まで眠った。

九 靴

次郎は、案外悪びれずに、翌日の口頭試験や体格検査をうけた。しかし、ほかの受験者たちが、ちょいちょい昨日の算術の試験について話しあっているのを、耳にはさんだりしているうちに、自分の駄目なことが、いよいよはっきりして来た。