Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
五 外科手術
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彼はそんな気がしていた。そして、いつまでもふとんから顔を出そうとしなかった。
五 外科手術
「実は、ぶちまけたところ、そんなような事情なんです。……むろん、正木の方から、一応申上げたはすだと存じますが、私からじかに申上げてみたら、また、いくぶんお感じの上でちがう点もあろうかと存じまして……」
と、俊亮は、まるっこい膝を、手のひらでこすりこすり言った。
「なるほど、それでわざわざお出でくだすったとおっしゃるのか。じゃが、正木さんから伺ったところと、ちょっともちがってはいませんな。」
大巻運平老は、とぼけたようにそう答えて、顎鬚をぐいとひっばった。その大きな眼玉は、天井を見ている。あまり愉快そうな表情ではない。――運平老は、お芳の父で、次郎が天狗の面に似ていると思っている人なのである。剣道に自信があり、裏の土蔵を道場代りにして、村の青年たちに、おりおり稽古をつけてやっている。鉄庵と号して画も描く。四君子のほかに、鹿の密画が得意である。
俊亮は、運平老の気持をはかりかねて、用心ぶかくその顔色をうかがった。すると運平老は、急に脊骨を真直にし、天井に注いでいた視線を、射るように俊亮の顔に転じて、かみつくように言った。