Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme
彼は徹太郎にこんなふうに親しく話しかけられるのが、きょうは何かそぐわない気持だったのである。
恭一も変に落ちつかない眼をしていた。
「まあ、徹太郎さん、しばらくでございます。よくおいで下さいました。」
と、その時、お祖母さんが仏間から出て来て徹太郎に挨拶をした。それから、突っ立っている二人を見て、
「お前たち、どうしたのだえ。お行儀がわるい。お辞儀を申しあげたのかえ。」
二人はあわてて畳に手をついた。
「やあ。」
と、徹太郎は二人に軽くお辞儀をかえし、
「どうだい、次郎君、正木には夕方までに帰ればいいんだろう。ついでに大巻にも寄って行くさ。少しまわり道になるが、今からすぐ出かけると、やいぶんゆっくり出来るぜ。」
「恭ちゃん、行こうや。」
次郎は、もう乗気だった。
「うむ――」
恭一は、まださっぱりしないふうだったが、強いて拒む理由も見つからないらしかった。
「俊三はどうだ。大巻のお祖父さんとこに行かないか。」
まだ台所でお芳に世話をやいてもらっていた俊三に向かって、俊亮が言った。
俊三は返事をしなかった。次郎がそっとその方をのぞいて見ると、彼はお芳の耳元に口をよせて何か囁いているところだった。